あらすじ
翠川誠は幼い頃から、触れたものの記憶を読む力を持っていた。
制御できないその力を隠しながら警察の捜査官として働く誠は、
ある爆発事故の現場で奇妙な記憶をみる。
誠は、人の精神に影響する物質「XM(エキゾチック・マター)」を巡る、
巨大な陰謀に巻き込まれていく。
アニメ公式ストーリー
XMの発見
2013年-スイスの物理学研究所「CERN」で、人間の精神に干渉する未知の物質が確認された
その物質「エキゾチックマター」は、古来より人類に影響を与えてきた。
各国の機関が、秘密裏にその研究に取り組み、「エンライテンド」と「レジスタンス」の二勢力に分かれ、熾烈な争いを繰り広げていた。
冒頭のセリフ。これは登場人物の1人「人工知能ADA」のものである。
欧州原子核研究機構(CERN)とは、実在するスイス研究機関である。Ingressではこの機関が「エキゾチック・マター(通称:XM)」を発見したという設定が物語の基幹となっている。アニメでもほぼ同様の設定を踏襲している。
また、ゲームにおける2つの陣営、緑の「エンライテンド」と青の「レジスタンス」についても簡単に説明されている。
- XM
- CERNで存在が確認された未知の物質。人間が作ったものではなく、はるか昔から自然界に存在していた。人間の精神に影響を及ぼすとされる。その活用法については謎が多い。
- 陣営
- 人類はXMの運用方法を巡って、XMを自然のままに受け入れるべきという「エンライテンド」と、科学の力で人間にとって扱いやすくすべきという「レジスタンス」という2つの陣営に大きくわかれた。
- エンライテンドは緑、レジスタンスは青をメインカラーとしている。
二人の男
運転手は「ジャック・ノーマン」。後部座席にいるのは「クリストファー・ブラント」。彼らはレジスタンスに所属し、XMに関する情報収集や秘密裏の工作を行っている。彼らはゲーム上のストーリーには登場しない、アニメオリジナルのキャラクターである。
彼らがなぜ日本に来たかは、前日譚であるリアルタイムストーリー(ジャック編)に記載されている。
2人は「サラ」と呼ばれるヒューロンの研究員を探していたが、高速道路でなぞの男たちに襲撃を受ける。ブラントは連れ攫われ、ジャックは銃撃をかいくぐって逃げ延びた。
ブラントとの邂逅。謎の爆発事故
同時期、ヒューロン研究員のサラは「XM」に関する重要な秘密を知ったことで、それを世界に公開しようと画策していた。しかし実行途中で警備員に阻まれ拘束されてしまう。
ヒューロンの研究所にて、サラとブラントは邂逅する。ブラントを連れ去ったのはヒューロンであり、ブラントは元々ヒューロンに協力していた研究者であったが何らかの離反行為をしたために裏切り者として捕らえられた。
サラに出会ったブラントは、彼女に意味深な言葉をかけた。
君が私を知らなくとも、私は君を知っている
君は世界の見え方が人とは違うのだろう?
人には見えないものを見て、人の知らないことを知ってきたはずだ私は君を救いに来たのだよ。
センシティブ
- センシティブ
- 鋭敏な感覚を持つ者を意味する。IngressにおいてはXMの干渉をより強く受ける人間をこう呼称する。センシティブの中にはXMの影響による特殊な力を得る者が少なくない。
ブラントから発生した謎の光と爆発
世界は君が見たたまの姿とは限らない
センシティブである君の目を通してさえ、この世界は見きれない
アニメやゲームの主題であり、Ingressという世界観を表している言葉である。世界が人とは違って見えるサラですら、この世界を見きれないと断定されている。
サラの視点からは、ブラントが謎の光りに包まれ、赤い光と雷撃のような光線が放たれているのがわかる。また、この時に独特な音が聞こえた。
- スキャナーの効果音
- アニメ内部には、アプリIngressで実際に使用されている効果音が随所で使用される。エージェントにとってはあまりに馴染み深いだろう。
意味深を通り越して狂人の部類に入る発言をしたブラントは、直後に光を放ち爆発した。その爆発はサラや周囲の人間のみならず、建物の一部まで破壊するほどのものだった。
世界が危機に晒されています。今すぐログインしてください。
ADAによるIngressの宣伝が抜かりなく行われる。
Begin – Danger – Message
Aパート直後のタイトル画面。第1話はのサブタイトルは「Begin-Danger-Message」。
これはゲームIngressにおけるグリフの組み合わせである。直訳すれば「始まり、危険、メッセージ」となる。
- グリフ/グリフハック
- Ingressにおいて、ハックボタンを長押しすることで出現する特殊な文字。一つ一つをグリフと言い、これらをなぞって正しい意味に繋げることをグリフハックと呼ぶ。ゲームにおいてはさほど重要な役割を果たさないが、アニメにおいてはグリフが重要なキーワードとなっている。
翠川誠
爆発事故の現場に足を運んだ男、翠川誠。風貌からは20代前半に見えるが、これでも30歳。「サイキックインベスティゲイター」「サイコメトラー」と呼ばれる、触れたモノの記憶を読み取る能力を持つ。警視庁に配属された嘱託職員であり、試験運用中の特殊捜査官という肩書を持つ。二つ名だけは多彩である。
- 嘱託職員
- 一般的には非正規職員扱いである。その役割や雇用形態は様々だが、誠のように一般的な採用試験を経ることなく、外部の人間ではあるものの警察官として振る舞えるものもいる。誠は自身の能力を面接時に披露した。彼を必要とする事件が発生すると、招集される。
誠がサラの指輪から記憶を読み取った直後、警察は捜査から外され、自動的に誠も現場から追い出された。
ジャックのARゴーグル
ブラントのGPS信号を追ったジャックがヒューロンの研究施設に来た。しかし既に信号は途切れておりブラントは行方知れずとなっている。
ジャックは自身のARゴーグルを装着。これによりジャックは世界に満ちたXMを可視化することができる。ヒューロンの研究所は、何かとてつもなく大きなXMの渦に巻き込まれているのが視認できた。
- ARゴーグル
- この世界では、Ingressのスキャナー以外にゴーグル等によってXMを視認することができる。ジャックのARゴーグルがその一つである。XMの可視化以外にも、通信機能を備える。エージェントならば是非欲しいアイテムである。
誠の能力
刑事局長からの直接の通達によって現場を後にした誠。部屋に帰って食事をしようよした際、誤って父親の腕時計を棚から落とし、右手でそれを素手で触ってしまう。その際、自身のサイコメトラーとしての能力で過去を幻視する。
- サイコメトラー
- モノに触れることで、そこから人間に関する記憶を読み取る超能力。またはその能力者。細部は作品や場面・人物によって様々である。少年漫画によって日本ではこの名称が一般的となった。誠の場合は右手で直に物を触ると自動的に発現するらしい。衣服や人に直接触れても問題ないが、指輪などの装飾なら発現するようだ。
誠は過去にこの能力によって、友達は愚か母親にさえ拒絶されていた過去がある。
チャット
事件をネットや昔のハッカー仲間から探ろうとした誠のPC上で、不可思議なソフトが起動した。そこには「Unknown」からのいくつかのメッセージが一方的に書き込まれ、そしてヒューロンに関する文書やサラの顔写真などが送りつけられてきた。
- グリフ・チートシート
- Unknownから送られてきた資料の中に、Ingressのグリフに関するチートシートが混ざっている。芸が細かい
これはゲームではない
Unknwonから「世界を救え」というメッセージを受け取った直後、誠のスマホに「Ingress」が自動的にインストールされ、サラが移送された病院までの地図ルートが表示された。病院名は「東京医科学研究所附属病院」という実在の病院である。
これはゲームではない。
これが君の最初の道標(ポータル)だ。
言うまでもないが、現実のIngressにはこのようにポータルではない場所をGoogleMapのように案内する機能はない。
XMの可視化
病院からサラを助けた誠が右手で直にサラに触れた際、サラが見ている世界を体験した。そこはスキャナー同様に、黒と白を貴重とした殺伐とした世界であり、そこかしこにXMが満ち溢れていた。
- XMの認知度
- 誠は能力を持っているものの、XM自体を認識することは出来ず、その存在も感知していなかった。サラの素振りからわかるが、一般人にはXMが世界に満ちていること自体が認識されていないようだ。
ヒューロンの情報網
誠の能力はヒューロンに筒抜けであった。それは、ヒューロンが中国系企業でありながら日本の警察にまで影響を及ぼせる存在であることの証左である。
ED
エンディングには、様々なエージェントの姿が写っている。
総則
第1話は、アニメの世界観をざっくりと説明しているにとどまっている。XMという未知の物質の存在や、センシティブと呼ばれる特殊能力の持ち主たち、ARゴーグルやサラの視点による世界の一変、陣営やXMにまつわる企業の存在。
大きな謎は、ブラントがなぜ光りに包まれて爆発を起こしたのか、ということだろう。そして誠にIngerssを送りつけてきた謎の人物の存在。
いずれにせよ、まだこの段階でアニメとしての評価を決める段階ではない。
なお、エージェントしては実際にスキャナーの効果音がそのまま使われていることには好感度が高い。